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アンジェラさんのこと。〔その1〕――カーサのアニータ

アンジェラさんのこと。〔その1〕――カーサのアニータ



今回はカーサでボランティアスタッフとして働いているアンジェラ(Angela)さんをご紹介します。

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いまから18年前のことです。アンジェラさんは夜中、ご主人によってカーサに担ぎ込まれました。

カーサに着いたとき、彼女は自分が車でどこかに連れてこられたことだけはわかりましたが、まわりで何が起こっているのかはわかりませんでした。ベッドに寝かされ、ぼんやりと意識はありましたが、コンクリートの厚い板に挟まれたような頭の痛みと、そこを中心に体中に広がる痛みがありました。そして、もう胃の中には何も残っていないにもかかわらず、突き上げるような吐き気に襲われていました。自分はこのまま死ぬのだろうか、と思いました。

数年前から視力が衰え、頭痛が頻繁に起きました。病院では「脳腫瘍」と診断されました。わかった時点ですでにかなりの大きさになっていました。「頭蓋底腫瘍(とうがいていしゅよう)」ということで、腫瘍が脳の深部にあることに加えて、多くの重要な神経組織や血管などが近くにあったため、その当時、手術は断念せざるを得ませんでした。

腫瘍はゆっくりとですが、次第に大きくなっていきました。もうなかば諦めている部分もありました。でも自分のことはまだしも今年3歳になる子供を残していくのは、なによりも心残りでした。アンジェラさんはもう目が見えませんでした。明るいか暗いかくらいはわかりますが、焦点は定まらず、ものの輪郭が判らなくなっていました。頭痛の起きる間隔が次第に狭まっていき、家事もままならず、ベッドで過ごす時間が長くなっていきました。痛みは全身に広がっていきました。そして何週間か前にとうとう寝たきりになってしまいました。

次第に弱っていくアンジェラさんを何とか助けたいとおもっていたご主人は、どこからかカーサのことを聞きつけました。ご主人はスピリチュアルなことには全く関心がなく、人づてに聞いた奇跡の話も半信半疑でした。しかし、死線をさまようアンジェラさんを見ていて、いても立ってもいられず、カーサに連れてきたのでした。

アンジェラさんのことがジョン・オブ・ゴッドに伝えられました。その晩はカーサの回復室のベッドにいるように、という指示が出ました。

どのくらい経ったでしょうか。時間の感覚も無く、痛みのため寝ることはできないながらも、うつらうつらしていたような気がしました。するとだれかが部屋に入ってくる物音がし、明かりが点いたのがわかりました。ご主人の他に部屋には何人かいるようでした。何かを準備しているようなカチカチという金属音がしていました。

だれかが近づいてくる気配がありました。声がして、何人かの手に支えられ、上半身がゆっくりと起こされました。体を90度回してベッドに腰掛けるように座らされました。誰かが頭を押さえ、顔が天井の方を向くように固定しました。意識はいままでになく朦朧としていて、されるがままです。「なにか」が右の鼻の穴に入ってきました。ずっと奥まで入って、その後、グルグルと回りました。驚きましたが痛みはありませんでした。それよりも痺れるような、やわらかい電気のようなものが大量に体に流れていて、いままで味わったことがない「愛」を感じていました。鼻の中の「何か」はすぐに取り出されました。

「吐き出しなさい」
声がしました。心に深く響いて有無を言わせぬ声でした。冷たい触感のガラスビンのようなものを両手でしっかりと握らされました。
何を吐き出せというのか、ここに来るまでにさんざん吐いて胃の中にはなにも残っていない――アンジェラさんはそう心の中で思いました。
その声はもう一度同じ言葉を繰り返しました。
なにか吐け、というのであれば、やるだけやってみるしかない、そう思って容器を口に持っていきました。それからえずいてみました。

喉の奥に何か塊がありました。喉一杯になっていて息が出来なくなっていました。早く吐き出さないと、――でも、こんな大きなもの吐き出せるはずがない、そう思いました。しかし諦めるわけにはいかない――必死に繰り返しえずいてみました。

やがて塊が口まで出てきて、口がいっぱいになりましたが、そこからは簡単でした。塊は瓶の中にボトリと落ちました。口の中に銅の味が残っています。

アンジェラさんはここで何が起きていたのかはわかりませんでした。でも、そんなことはどうでも良くなりました。物の輪郭がはっきり見えています。初めてジョン・オブ・ゴッドの顔を見ました。眼光の鋭い人に見えました。そのときジョン・オブ・ゴッドに中に入っていたのは、カーサのエンティティーの一人――アウグスト・ジ・アルメイダ医師であることを、アンジェラさんは後に知ることになります。
周りが明るくなって夜が明けていたのが判りました。午前5時すぎのことでした。


その後、回復室でそこから24時間ベッドで休み、次の日の朝になると、もう帰っていい、と言われました。昨日までの症状がすべて消えていました。病とともに在った長い月日が嘘のように思えました。そして自分の肉体にいま何も問題が無いのがわかりました。

家に着いて、ドアを開けると我が子とその面倒を見ていてくれた実母がいました。
子供を抱きしめました。顔がはっきりわかりました。もう何年も見えなかった自分の子供です。
アンジェラさんの頬を滂沱(ぼうだ)たる涙が伝い落ちました。



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エンティティーによって命を救ってもらったことに対する恩返しとして、それ以来、アンジェラさんは18年間ずっと休まずカーサのボランティアを続けています。アンジェラさんのカーサでの今の担当は、主にカレントルームの入り口ドア付近で、入る人々のサポートと、またしっかりと見守ることをやっておられます。皆様がカーサに行かれたときは、きっとお日様のような優しい笑顔に迎えられることでしょう。

アンジェラさんが受けた施術と同じ鼻に鉗子を入れるビジブルサージャリーの動画は下の通りです。

※サブタイトルにある「アニータ」というのは「アニータ・ムアジャーニ(anita moorjani)さん」という方のことです。ステージIVの末期ガンで、今わのきわから、ほぼ数日でガンが治って生還されたプロセスがアンジェラさんと重なるので、私の中でアンジェラさんは「カーサのアニータ」となっています。アニータさんの書いたものとしては『喜びから人生を生きる! 』があります。

※写真で青いタンクトップの方が、ご覧の通りアンジェラさんで、隣にいるのは一緒に撮ってもらってご満悦の当方です。ブラジルで撮った写真ですが、サングラスで修正したら若干、新大久保の雰囲気になってしまったことについては、どうぞご寛容に願います。


〔その2〕につづきます。