水のイニシエーション――あるいはチーム滝壺 (1)

 

はじめに


今年のある時期に行いましたツアーは私にとって本当に驚きの連続でした。開催にいたるまでの経緯とカーザ アバジャーニア村で起きたことを中心にお伝えしたいと存じます。


これまではお一人の方にスポットを当てる形で記事をまとめることが多かったのですが、今回はそこに関わる方すべての動きと感情的なこと、そしてツアーの全容がわかるような構成をとってみました。

私自身はこうした真実に関わる記事を書く際には、不要な物語性をできるだけ排除したいと思っております。ただ、今回についてはそのこと以上にエンチダージが動かした因果律はツアーメンバーを相互に深く結びつけ、そしてそれが必要なことだったようです。話が始まると群像劇のストーリーが進むように見えることについてはどうぞご容赦頂きたく存じます。

長い記事になると予想され、途中8月にツアーがあるため、一時中断する形になるかとは思いますが、ぜひすべてお伝えしたいと思っておりますので、どうぞ最後までお付き合い頂けますようお願いいたします。

登場人物が多いので以下の通り、主な登場人物を先にまとめておきます。7月のツアーメンバー全員と関係者で、お名前はすべて仮名です。
記事中では主に下のお名前(ファーストネーム)でお呼びしております。

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登場人物

一ノ瀬 のぞみ(いちのせ のぞみ)さん
加賀 わかな(かが わかな)さん
※のぞみさんとわかなさんはご姉妹です。のぞみさんが上の方で、ご病気です。わかなさんは御自身のカーザへの思いもありつつ、ご病気のお姉さんの付き添いも兼ねています。


御園 理沙(みその りさ)さん
※御園さんは私のツアーへの参加が二度目になります。

吉野先生(よしの せんせい)
※医師。ツアー参加者ではありませんが、大事な役割を果たされました。記事の中で追ってご説明さしあげたいと存じます。

(もり) 筆者

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水のイニシエーション

待ったなしの電話


一ノ瀬のぞみさんからそのメールが届いたのは2016年5月9日でした。

のぞみさんは60代の女性で、昨年(2015)4月以降エンチダージへの写真提出を依頼されていました。引き続き5月もお願いする旨のメールだったのですが、メールには続きがありました。

のぞみさんのご病気は卵巣癌(原発)です。2012年頃子宮の全摘手術を受け、併せて抗ガン剤も当初より受けていましたが、その後、転移が肝臓や子宮のあった部分とその周囲へ広がっていきました。最初のエンチダージへの写真提出時には腫瘍が大きくなり、腸を圧迫しているような状態でした。

そのメールには――3月末で抗ガン剤治療が終わり、あまり効果がなかったということ、それからこれまであまり折り合いの良くなかった主治医が本を紹介してくれて、それは自分がジョン・オブ・ゴッドを知るきっかけになった本だったということ、そしてその主治医にジョン・オブ・ゴッドのことを話したら、主治医は話を熱心に聞き、初めて笑顔を見せくれて、なにかこれまでと違った風が吹いてきているような気がする――というようなことがありました。

そこには併せて、ジョン・オブ・ゴッドに会いに行きたいということ、ツアーの応募状況についての問い合わせもありましたが、私はそのメールの文面にある、これから希望を求めて歩み始めようとする言い回し以上に、強い恐れのような波動を感じていました。深い井戸の底に落ちて、寒さに震えて助けを待っているような、そんな感覚がひしひしと伝わってきて私までなにかにおびえているような気になってきます。

メールの返信で済ませられるような波動ではありません。その日のうちにお電話をしてみました。

震えるマインド

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のぞみさん――抗ガン剤は先月で終わりました。結果としては「効かなかった」というのが実情です。実際、腫瘍マーカーは現在、数値的に高い状態です。主治医は今後の治療としてはこれまでやったことのない抗ガン剤をこれからやるとしても効果があるかどうかは判らない、とのことでした。


そして一冊の本を紹介してくれました。※『がんが自然に治る生き方――余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのこと』ケリー・ターナー著

「あとは現代医学以外で自分にあったものを見つけてやっていったらどうか」ということでした。
その医師はこれまでそういう感じの方ではなかったので驚きました。現代医学一辺倒でそういうところのない方だと思っていました。前に一度抗ガン剤はキツいので止めますと伝え、プロポリスを飲んでいたことがあったのですがそれを伝えたときは、「なにそれ」というような顔をされて「ああ、この先生にはこういう話はしないでおこう」と思ったことがありました。「あっ、ダメだ、こういうことをいうとすごく機嫌悪くなる」と思い、その後そういった話をすることはやめておきました。
そういう先生ですので診察に行ったら、本当に事務的で顔もあまり見ないし、目も合わせないし、という感じでその先生と会うのが苦痛で苦痛で、運が悪い先生に当たってしまった、という感じで、全く精神的にホッとする感じなくて、会うだけで具合が悪くなるような、もう本当にいやでした。

――セカンドオピニオンは求めなかったのですか?

のぞみさん――前回その医師がそのことを言っておりました。抗ガン剤を受けたのは2012年からもう3回目で、それだけ受けてくるとだんだんと効かなくなってくる、と言われています。受けているのにマーカーの数字だけは高くなっていくというような状態でした。効いたとしてもそのときだけなんです。ただ、ちょっと進行を遅らせているというような感じでした。転移がたくさんあるので1箇所だけ手術でとっても効果がない、ということで先生も「もう手術はしない」と言っていました。

(10月に予定されているのツアーについて――)10月だとまだ先ですので、その間にどんどん進んでしまうんじゃないかと心配で、切羽詰まっている状態なんです。一日一日という感じになっているんです。

――飛行機には30時間くらい乗ることになるので体力的なことと飛行機に乗ることでの病状の悪化が心配です。体もなかなか動かせないような状態です。健康な人でもきついので。

のぞみさん――主治医は腸閉塞のような急変もありうると言っていました(現在は下血もある状態です)。

――現地ポウザアダ(宿)でお体になにかあったときはブラジルの病院に入院するしかありません。ブラジルでの入院は必ず付き添いが必要なのでお一人だと難しいように思っています。

のぞみさん―― 妹がおりまして、私の一番の理解者で、私についていくとは言っています。
まだ、癌の痛みはありません。ただ、トイレが近くなりつつあるのでそれが非常に心配です。そんなにしょっちゅう行かれない状況が多いと思いますので。
本当に行きたいです。直にそこの空気を感じてみたいというか、(施術等を)実際に受けてみたいと思っています。

ジョン・オブ・ゴッドのことを知ったときから今すぐにでも行ってみたいと思っていたのですが、なかなか行けるような状況になりませんでした。
こういうことになってきて、いま行かないと、というような感じにはなってきたのですが、体の方がこういう風になってきてしまって、腫瘍が圧迫しているのかトイレも近くなってきていますし――。

カレントルームで瞑想とかするときにも何度もトイレに行って迷惑を掛けるんじゃないかと思ったりもして――。

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クリスタルベッド

難しい選択


お電話はさらに続き、のぞみさんのお心の有り様のこと、東京在住のクリスタルベッドプラクティショナーご紹介のことなどを話しました。

気丈に話そうとするのぞみさんですが、たまに巨大な猛禽類の爪につかまれかのように波動が恐怖に染められ、声はうわずり、おののきます。その震えの波に、場を共有する私もさらわれそうになります。

内面のことについてはのぞみさんと以前――昨年の夏頃にも電話で話したことがありました。問題は子供ころから感じている理由のわからない恐ろしさ・不安ということでした。本当に小さいときからいつもなにかを心配していて、病気のこともこんな病気になるのではないか、こうなったらどうしよう、といつも心が穏やかだった試しがなかったとのこと。がんになったことについても、自分ががんになるのではないかといつも心配していたとのこと。このときは腕に痺れが出てきて、脳に転移したのではないかと不安になってのお電話だったように思います。
お話を聞いていて、こちら側の血の流れも冷たくなっていくようなこの感じはなんなのか、病気のことがあるとはいえ、実際に向き合って見ているのは現実の病気ではないのではないかという感覚が頭をよぎったのを憶えています。これはだいぶ後になってアカシックレコードで詳しく見ていくことで私なりの見識を得ましたが、現世だけの話ではないのでここでは割愛します。

このときは当方から無償の遠隔のヒーリングを申し出て、施術後、恐ろしいという感覚をあまり感じなくなった、というご報告いただいたと思います。しかし、この感じはまたあのときと同じに戻っているように感じました。

「クリスタルベッド」というのはカーザの提供している治療法の一つで、非常にクリアな水晶を通した光を「チャクラ」と呼ばれる体のエネルギーセンターに当てていくことで免疫力等を高めていきます。詳しくは下記アドレスをご参照ください。
http://www.johnofgodloyola.com/entry/2015/07/11/143747

電話を終えて、ツアー参加の可能性について「当方も色々考えてみます」と申し上げたものの、この時点でのぞみさんがカーザに行けるような気はまったくしませんでした。近々ツアーを行う予定はありませんし、他にグループで申し込んでいる方もおられません。それ以前に貰ったメールには腸閉塞で緊急手術の可能性も書いてあり、爆弾を抱えているような方をお連れする自信は本当にありませんでした。

とはいえ、私の所にもエンチダージからのメッセージは降りてきていました。それは「2、3ヶ月以内に連れて行くことになる」とのこと。しかし、それはどういうきっかけでなのでしょうか。エンチダージはなにをもくろんでいるのでしょうか。

すべてをゆだねて祈るしかありませんでした。

(2)へつづく
※8月ツアーのため、次回の記事は9月上旬頃となります。

※『がんが自然に治る生き方 』のサブタイトルには「余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのこと」とあり、その9つとは、
・抜本的に食事を変える
・治療法は自分で決める
・直感に従う
・ハーブとサプリメントの力を借りる
・抑圧された感情を解き放つ
・より前向きに生きる
・周囲の人の支えを受け入れる
・自分の魂と深くつながる
・「どうしても生きたい理由」を持つ
というような内容です。

ジョン・オブ・ゴッドについては第八章『自分の魂と深くつながる』に書いてあります。

 

 

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