陽気な飛行機はブラジルへ!!編(2)
ここで悪い癖がでた。アトランタ空港は初めてなので、どのくらい広いのか歩いてみたいと思ったのだ。コンコースまでは直線だし、地下鉄シャトル駅の脇を歩くので何かあればすぐにシャトルに乗ってしまえばよいと思った。
歩き始めは楽しかったが目に入る景色が単調であることが判ったので、もういいやと思い、シャトルの駅にいく。
すると着いたとたんにシャトルが出発する。
待っているのも何なので次の駅まで歩いてみることにする。バス停などではよくこういうことをしていた。
すると次の駅でも私が到着する直前でシャトルが出発する。
かなり疲れてきたが、まあいい、時間はまだある。
次の駅について待っていたが、シャトルはなかなか来ない。時間は15分を切っていた。
もういい。全部歩いてやる。目的のコンコースに着いたときは5分前だった。下着が汗で背中にへばりついているのが判る。前回同様やっぱり汗だくだ。
そして3人の女性職員が私だけのために待っていた。
「ちょっと~、あんたなにやってたのよぉ~」
「ひやひやしちゃったわよ~」「どこ歩いてきたのぉ~」
「カンベンしてよねぇ~」
口調がきびしい。次々とまくし立てられ、ちょっと怖くなったので英語が判らないフリをする。時間もないのですぐに手続きを済ませて、自分の席に向かう。
通路を歩いて行くと、機内は母国に向かうブラジル人で9割くらいの混みようだ。このあたりかなと思い、チケットを確認すると、私の席であろう場所に、すでに20歳くらいの女の子が座っている。もう一度確認してみるが番号は間違っていない。私は飛行機ではエコノミークラス症候群などにならないように体を動かす。顔を洗ったりや歯磨きでよく席を立つ。そのため「席は通路側」と決めて予約している。
私の席に座っている女の子は、ブラジル人らしいメリハリボディーの美人さんだ。
私がチケットを見せると、自分の席ではないことは分かっているようだ。しかし、私に「あっちの席に座ってくれ」と斜め前のほうの席を指さす。そして隣の席にあった機内備え付けのぺらぺらまくらを渡そうとする。「これやるからあっちいって」みたいな。
いやいやこんなまくら要りませんから。
女の子が指さした先には、がたいの大きなブラジル人のオッサンたちが座っている。ちょうど真ん中の席が空いていて、そこと交換して欲しいということのようだ。
どう考えてもイヤだった。それに私は自分用の首まくらを持ってきている。
女の子は困惑している私に「しょうがないわねぇ~、今回だけは特別よ」いわんばかりにさらにその隣にあったまくらをもう一個重ね、「今回は大盤振る舞いよ」みたいに差し出してくる。
どうしてこの子はただのアメニティのまくらを交渉の道具となる貴重品だと思っているのだろうか。
ブラジルではデルタのこの枕がブランド品のように高値で取引されているのだろうか。
いやいやそんなわけない。
ことを荒立てたくはないのでちょっと困った様子を表現してみた。
こうしたときは言葉より態度のほうがたくさん伝わるような気がする。第一、ポルトガル語はあいさつ程度しか話せない。 頬に手を当て、首をかしげ、眉を八の字にする、桃井かおり風だ。
そして待ってみた。すると女の子は判ってくれたのか、空いてる席を自分で探して移動していった。
ありがとう。
しかし、まくらは両脇に抱えて持って行った。
つづく
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