陽気な飛行機はブラジルへ!!編(3)
まくら子さんが去った後、やっと席に着いた(スミマセン。まだ、ブラジルに着いてません)。
すでに出発時間は過ぎているはずだ、と思っていたらアナウンスがあり、機体に不備があり、点検しているという。
まあ、そういこともあるでしょう、ということでアメリカの友人夫妻がこんど日本にやってくるとのことなので、今回のアメリカ滞在で判った彼らの好みや日本のどういう場所に行きたいのかについて、忘れないうちにメモしておくことにする。
A4のノートパッドを取り出し、思いつくままに書いていった。
ん、なんか気配を感じる。 頭の上の方から。
上を見てみるがなにも無い。 気のせい、気のせい。
ノードパッドに集注する。
んん、やっぱ感じる。
急いで振り返る。
逃げ遅れた上半分の顔が3人分見えた。
おまいら小学生か!!
ブラジル人にとって、漢字は珍しくて興味深いものらしい。前回ブラジルに行ったときも、私のごちゃごちゃのメモをタクシーの運転手が貸してくれと言ってしばらく見ていた。
見つかったからもういいやと思ったのか(いやいやよくない)、こんどは私のシートのヘッドレストの部分に被さるように乗って、かぶりつきで見ている。
私もサービスで「薔薇」とか「憂鬱」とか「躊躇」とか書いてみせる(バカか)。
40分くらいが経ち、あれほど人気だった漢字パビリオンに人がだれもいなくなり、私も書くのに疲れてきた。すると二度目のアナウンスがあり、もう少し点検に時間が掛かるという。
周りは待ちくたびれた人たちがブーブー言っている。時刻は夜の7時30分くらいでみんなお腹が空いている頃だ。キャビンアテンダントがお詫びのしるしにスナック菓子と飲み物を配り始めた。
騒がしくなってきた。みんな体を動かしたくて仕方ないようで、席は自由に移動してるし、携帯もじゃんじゃん掛けている。
ブラジル人は声がデカイ。
ポルトガル語は英語のように難しい子音などはなく、カタカナ発音でも十分通じる。ただ、腹から声を出さないと伝わらない。私も最初、なんども聞き直されたり、通じないのは発音のせいだ、と思っていたが、違っていた。
日本人の声は小さくて聞き取れないのだ。
周りはアメリカ製のまずいスナックとオレンジジュース片手に盛り上がっている。
そしてさらに30分が過ぎた。またアナウンスがあり、二度目のスナックとジュースが配られた。食事の代わりにスナックというのは私にとっては大変きつい。特にアメリカ製のスナック類はしょっぱいし、匂いもきついし、食べているとお腹が張ってくる。今日は朝からフライトスケジュールの乱れで、もう疲れている。この飛行場ではムダに歩いた。この飛行機では寝ていくつもりだった。
周りはもっと盛り上がってきた。なにやら頭上を物が飛び交っている。
そして笑い声とデッカイ声と笑い声とデッカイ声と笑い声だ。
ここは居酒屋なのか。ピンガもってこい、みたいな感じになっている。
そしてまた時間が経ち、3回目のスナックとジュースが配られる。
もうスナック要りません。ジュース要りません。
結局出発したのは二時間後だった。じゃあ、ここに着いたときの乗務員のイヤミはなんだったの!!!
二時間のあいだに飛行機の中はみんなアミーゴだ。飛び立ってすぐ、なんか焦げ臭いニオイが鼻をついたが誰も気にしちゃいない。自殺率世界75位は伊達じゃない。気になるのは自殺率5位の国の人間だけだ。
こうして空飛ぶ居酒屋はブラジルに向かったのでした。
つづく
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