ジョアンのいない9月 その1(全5回)

ジョアンのいない9月 その1(全5回)

予兆


ジョン・オブ・ゴッドことジョアンさんが、なにやらメディカルチェックで引っかかった、という情報が入ったのはカーサツアーで日本を発つ当日のことでした。

ジョアンさんは今年の9月末ニューヨーク レインベックで行われるセッションに行く前に、高齢(今年74歳です)であるということと飛行機に長時間乗る必要がある、ということで海外ツアー前には必ず受けるメディカルチェックを受けました。それが9月の頭のことです。ブラジル アバジャーニアの友人からFacebook経由で来たその話は、サンパウロの病院で受けたチェックでなにか問題がみつかったみたいだ。しかしすぐにもどってくるだろう―― というような内容でしたので私はあまり心配もしていませんでした。

長旅を終えて村に着くと、宿のオーナーからは今週のセッションにジョアンさんは来られないんじゃないか、という話!!! 荷物の整理もそこそこにさっそくジョアンさんのことをカーサのスタッフやその他関係者に聞いて回ることにしました。

情報は錯綜していました。ある人は糖尿なので血糖値が高くて引っかかったのだろう、たいしたことじゃない、と言い、ある人は胃のヘルニアが見つかった、と言いました。手術を受けたという人もいました。心臓にステントが入っているのでその問題じゃないか、言っている人もいました。

会う人ごとに言っていることが微妙に異なっていたり、全く違っていたりと、なにが本当なのか、見極められません。テレビゲームのロールプレイングで村人に聞き回っているような気分になっていました。そうこうしているうちにカーサのスタッフの一人が私を見つけたのか、手招きをしています。その人のそばには、いまジョアンさんの入院しているサンパウロの病院から戻ってきたカーサ専属のタクシードライバーがいました。そのドライバーは直前まで病院にいて詳しい事情を知っているようでした。そのドライバーを中心に人が集まり、井戸端会議のようになっていました。

判ったことは、
・胃のヘルニアが見つかって手術を受けたこと。
・手術は10センチほどの切開で簡単なものだったが現在ドレインが入っていて、それが抜けて主治医から許可がおりないかぎり、退院できない状態にあること。
・しかし、順調に回復していて、本人は帰る気満々でいること。
・ただ、今週のセッションには戻って来られないということ。


そしてこの事態に対して、ジョアンさんを通じたエンティティーからの指示は、
・ファーストタイムライン、セカンドタイムライン、リビジョンラインを行うこと。
・オペレーションラインのみ行わないこと。
・カレントルームも運営すること。


エンティティーはカーサをほぼ通常通り運営することを選択したのでした。

その2へつづく