朝顔の咲きそめる夏――山下さんのこと。(1)

朝顔の咲きそめる夏――山下さんのこと。(1)

はじめに

今回は昨年(2015年)9月のツアーに参加された山下 一馬(やました かずま-仮名)さんをご紹介したいと思います。

※山下さんがなぜカーザを目指されたのかについて、過去に山下さんの身に起こった「数奇な出来事・異変」を中心に、カーザにいるあいだのこと、日本に帰ってからこれまでの近況をまとめました。書くにあたっては、カーザに行かざるを得ない状況になった経緯を色々な方に知って貰いたい、そこから得られた自分の思いをシェアしたい、というご本人たっての希望もあったことをお伝えしておきます。

ことの経緯

最初に連絡があったのは2014年の8月のことでした。山下さんからのメールには次のようにありました。

「自分もなおるかどうか わからないけど 今 お金 貯めて ジョンさんに会いに いき なおしてもらおうとしています」(原文のまま)

私がジョン・オブ・ゴッドのサイトを公開して3、4ヶ月の頃のことでツアーもまだ開催されておらず、重い病気なのかも知れないとは思いましたが、本文は本当にこのワンセンテンスだけだったので、何事も推測できず、当たり障りのない返信をしたのを憶えています。

そして次の年の4月に第二期カーサツアーへの申し込みがありました。ご病気の有無は「有り」となっており、「へその手術を受けた」ということとその経緯が書いてありましたが、「へその手術」とはなにを意味するのか 、その後の経緯にしても、身体の変調のことが少し書いてあったのですが、一読して手術とのつながりが理解できませんでした。

そして実際に起きたことの重大さを知ったのはそれからずいぶん後のことでした。

―――――…

やがてツアーの説明会を兼ねた第1回目の電話相談の日がやってきて、2015年の6月、初めて山下さんとお話することができました。

電話口から聞こえてくる山下さんの声はとても野太く、ニュースやワイドショーなどでプライバシー保護のために音声を変換することがありますが、あのような声に聞こえました。ちょっと怖い感じがしたのですが、携帯電話同士で話していたので電波状態がひどくわるいんだろう、と思いました。

山下さんが「へその手術」を受けたのは1991年のことでした。まだ、21歳のときです。手術の目的はいわゆる「でべそ」の見た目を整えるへそ形成でした。

その手術をしてから、なぜか山下さんは手足に力が入らないような状態になりました。日常生活は差し障りなかったのですが、以前と違うという感じがずっと続きました。それから3年後のこと、どうしてもその状態から抜け出したくて、手術を行った美容外科をもう一度訪れて症状を訴えました。すると医師は「締めてみよう」と縫い直すことを提案し、再手術が行われました。

手術後、今度はとても「きつい」という感覚がへそを中心としたお腹全体に出てきました。力は入るようになったのですが、きつい・苦しい、という感覚はずっと続きました。

(2)へつづく